資源作物 ・ 畜産学コース


作物生産学分野


分野の教育研究内容

 作物生産学分野は,イネ,コムギ,トウモロコシ,サツマイモ,ダイズなどの主要な食用作物を中心とした資源作物について研究しています.地球温暖化などの地球環境問題へ対応するための研究,農業が地域経済において重要な位置を占めている島根県においてイネだけに依存しない新規作物(アズキ,キノア,サツマイモなど)を栽培するための研究などを行っています.3人の教員の研究内容は以下のリンクをご覧下さい.作物生産学とはどういう分野なのかを詳しく知りたい方はリンク先の作物生産学とはをみてください.
各教員の詳しい研究内容は教員一覧をご覧ください.


小林和広 准教授 

担当授業 資源作物学,農業のための生物統計学ほか

 地球大気CO2濃度の上昇によって地球温暖化が進行しつつあると懸念されています.イネは熱帯原産の作物とはいえ,気温が35℃を超すと花粉の発達が阻害され,受精がうまくいかないで,胚乳にデンプンを貯めることができなくなり,お米がほとんど取れなくなる可能性が指摘されています.このような高温障害を回避するための手段の1つして,早朝開花性(普通のイネよりも気温がまだ低い朝1,2時間,早く開花するイネ)を利用する研究が進められています.その開発の上で重要なポイントとなるイネが環境条件に反応して,何時に開花するか,その結果,受精障害をどの程度回避できるかを調べています.ジャスモン酸メチルという植物ホルモンが開花を促すので,このホルモンを利用できないかという研究も進めています.さらに実際に高温条件だとどうなるかを確かめるために海外(中国,フィリピン,ミャンマー),で共同研究をしてきました.
 現在,島根県出雲市平田町(宍道湖西岸)の水田を大規模な畑作もできる農地に改良する計画が進んでいます.現地ではこの機会を利用してアズキの大規模栽培が進んでいます.しかし,もともと水田だったところを利用することもあり,湿害の問題が懸念されています.アズキの植わったポットを深さの異なる水につけて,湿害の実験を行い,湿害に強い小豆の特性を探索しています.

 個人運営のホームページは以下のURLです.
 小林和広(島根大学生物資源科学部作物生産学研究室) (shimane-u.ac.jp).


氏家和広 准教授

担当授業 作物学

 キノア(キヌア)という南米アンデス地方原産の雑穀を島根県内で生産することを目標に、栽培学的な研究を行っています。安定的な生産を実現にするには、適切な播種時期や栽植密度、施肥量といった基本的な情報が欠かせません。さらに、輸入品と対抗するためには、高品質な子実を生産する必要もあります。こうした問題を解決するために、研究を進めています。
 また、米粒が白く濁ってしまう白未熟粒に関する研究も実施しています。白未熟粒が多く発生すると米の買い取り価格が下落してしまうため、生産者にとって重大な問題です。この白未熟粒の発生原因を解明と、対応技術の開発を目指しています。


足立文彦 助教

担当授業 農業生産の基礎、資源作物学、作物生産学特論 ほか

 中国山地の標高の高い条件を利用した低温栽培によるサツマイモの高糖度化やデンプン作物の品質向上、サツマイモ体内に棲む内生菌を利用した生育増進と施肥窒素量の低減技術,栽培作物に近接した植物の根系や根から分泌される物質を利用した,水や養分の利用効率向上、根粒菌の着生促進、サツマイモや園芸植物による緑化などの熱環境の改善効果の評価と高度化について研究しています。植物同士や微生物との関係を上手に利用したいと考えています.