資源作物・畜産学コース

城 惣吉



城 惣吉 (SHIRO Sokichi) 助教




研究業績等:https://researchmap.jp/skc-shiro
担当授業 農場専門実習I・II,耕地栽培学,農業生産の基礎ほか 

 土壌微生物の農業生産に対する有用なはたらきを利用した作物の生産性向上に関する研究に取り組んでいます.特に,植物共生微生物の作物生産における有用な機能の解明やその機能を最大限に発揮するための利用技術の確立を目指しています.


1.根粒菌との共生窒素固定系を利用したマメ科作物の生産性向上に関する研究

1.根粒菌との共生窒素固定系を利用したマメ科作物の生産性向上に関する研究
 窒素固定能力の高い根粒菌 (有用根粒菌) の接種は,マメ科作物(ダイズ・アズキなど)の収量増加に貢献すると言われていますが,実際には,土着根粒菌との競合や宿主との親和性,環境適応性といった問題から接種効果を得難いことが現状です.そこで,実用的な有用根粒菌の接種技術を確立するために,根粒菌の生理・生態学的特性について研究しています.

土着根粒菌の多様性に関する研究






◇ 土着根粒菌の多様性に関する研究
 様々な地域の土壌から根粒菌を分離し,DNAを解析することにより,どのような種類の根粒菌が存在しているのか調査しています.さらに,分離した根粒菌の中から,ダイズやアズキの生産性を向上する有用な根粒菌の探索も行っています.

栽培環境がマメ科作物の生産性や感染根粒菌の群集構造に及ぼす影響評価






◇ 栽培環境がマメ科作物の生産性や感染根粒菌の群集構造に及ぼす影響評価
 気候変動による気温の上昇や降水量の変化は作物の生産性に大きな影響を及ぼすことが知られています.栽培温度や土壌水分の変化がダイズやアズキ,そして,共生する根粒菌に対してどのように影響するのかを調査し,栽培環境が変化しても生産性を維持できる有用根粒菌を利用した栽培技術を確立できないか検討しています.

2.植物共生微生物の有用機能の解明と作物生産への応用に関する研究
2.植物共生微生物の有用機能の解明と作物生産への応用に関する研究
 根圏微生物の中には作物の生育を促進する能力を持つ細菌が存在しており,これらはPGPR(Plant Growth Promoting Rhizobacteria)と呼ばれています.作物の生育を促進する仕組みとしては,窒素固定や土壌養分の可溶化,植物ホルモンの産生,環境ストレス耐性の付与,病原菌に対する抵抗性付与などが挙げられます.このような微生物の有用機能の解明や作物生産への利用について研究しています.
サツマイモの生育促進および病害抵抗性付与に関する研究





◇ サツマイモの生育促進および病害抵抗性付与に関する研究
 特定の細菌をサツマイモに接種することにより,生育促進効果は得られるのか,サツマイモつる割病に対する抵抗性は向上するのか,について調査を進めています.