演習林

三瓶演習林の概要

 三瓶演習林は、JR山陰本線大田市駅より20 km離れた島根県大田市三瓶町と飯南町にあります。平成19年度に世界遺産登録された石見銀山(大田市大森)まではおよそ26kmの距離にあります。

 三瓶演習林は、獅子谷団地(約215ha)、大谷団地(約37ha)、多根団地(約17ha)の3団地から成ります。

 獅子谷団地は3団地のうち最も広いエリアで、約215haの広さがあります。
 このうち天然生林面積は約155haで、そのほとんどは落葉広葉樹二次林です。落葉広葉樹林の一部は蓄積の多い(太い木の多い)、この地域には稀な林分です。コナラ、シデ類、アセビ、ソヨゴなどが多く見られます。
 人工林は約55haの面積があり、スギ(約32ha)、ヒノキ(約14ha)が主な造林樹種です。1965年の国立移管後に植栽が始まったので、比較的若い人工林です。
 林内には多くの試験地が設定されており、研究のために使われる頻度は3エリアのうち最も高くなっています。また学生実習や公開講座などでも使われています。

 大谷団地は、獅子谷団地とは角井川をはさんで対岸にあり、面積は約37haです。
 獅子谷団地とは異なり、そのほとんどは人工林で、スギ(19ha)、ヒノキ(約8ha)が主な造林樹種です。

 多根団地は三瓶演習林の3つのエリア(団地)のうち最も面積の狭い団地で、事務所に隣接して約17haの広さがあります。森林のほとんどは人工林で、スギ(約7ha)、ヒノキ(約1ha)が主な造林樹種です。広い放牧跡地があり、現在は主にドローンの操縦練習に活用されています。事務所に近いこと、地形が緩やかであることなどから、各種実習でよく使われています。

位置

住所・連絡先

〒694-0003 島根県大田市三瓶町多根941-1
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TEL&FAX 0854-86-0011

概況

【地形・地質】
 地形ステージは、全般に壮年期から晩期です。起伏量は比較的大きく、山腹の傾斜は急峻ですが、谷頭には緩傾斜凹地形が局所的に見られます。
 地質は、花崗岩質貫入岩を基盤とし、黒雲母花崗岩や閃緑岩からなります。三瓶火山の噴火堆積物の影響が大きく、斜面下部では、崩積性の火山灰土壌が厚く堆積している部分が多く見られます。

【気候】
 山陰気候区に属しますが、日本海沿岸部より低温・多雨な気候となっています。
 2001年から2018年の期間では、年平均気温は13℃程度、8月の平均気温は24℃程度、1月の平均気温は2℃程度です。最高気温は2012年7月に記録された35.7℃、最低気温は2016年1月に記録された-9.3℃です。
 年間降水量は2000mm程度です。降水は、夏季に若干多くなっています。2011年5月には、日降水量183mmを記録しました。積雪期間はおよそ1月から3月です。初霜は11月上旬、終霜は4月中旬です。

【土壌】
 尾根筋でBB型の乾性土壌が出現します。山腹上部にはBD(d)型やBD(d)-Bl型が出現し、土層は比較的深いです。山腹中部以下は、崩積性のBD型が多く分布しています。全般的に土壌は埴質壌土が多くを占めています。

各種資料

■林小班図

■林相図(どこにどんな木が生えているか)

獅子谷団地 大谷団地
多根団地

■林班別樹種別面積


■人工林の齢級配置

三瓶演習林の人工林齢級配置(2015年時点)

■気象

三瓶演習林の月平均気温(2013年〜2017年の平均)


■土壌図(獅子谷団地のみ)