研究紹介
水圏・土壌における微生物的還元過程
水質・底質悪化が進行すると,下記の微生物反応が順番に進行します。
(1)NH4+がNO2-, NO3-に酸化される(硝化)。
(2)DOが消費され、酸化還元電位が低下。
(3)NO2-, NO3-がN2(N2O)に還元される(脱窒)。
(4)Mn4+がMn2+に還元される。
(5)Fe3+がFe2+に還元される。
(6)SO42-がS2-に還元される(硫酸還元)。
(7)CH4及び微量のH2が発生する(メタン生成)。
管原は,(6)の硫化水素と,(7)のメタンを定量することで,環境がどの還元ステージにあるのか,その位置付けを行っています。
(基本的には,劣悪な環境をターゲットとしています。)
管原の研究テーマ1(概略)
硫化水素を指標とした汽水域の水質評価
硫化水素は,生物に対して強毒性を示し,化学的には強力な還元作用を示すことで知られています。また,環境水中では,硫化水素を生成する微生物の特性上,硫化水素は悪化した環境でしか生成されない物質です。そこで,この硫化水素を定量することで,悪化したところがどのぐらい悪化しているかを評価する事が出来ます。
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管原の研究テーマ2(概略)
メタンを指標とした汽水域の水質評価
メタンは,二酸化炭素の約25倍の温室効果を持つ地球温暖化ガスです。汽水域には,海水由来の硫酸イオンが多量に存在するため,一般的にメタン生成は起こり難いと言われています。しかし,汽水域でも”条件さえ整えば”高濃度(70万ppm (70%))のメタンが生成・蓄積することが分かっています。 また,メタン生成は,微生物還元過程の最下位に位置するため,メタンを指標とすることで水質悪化の度合いをはかることができます。当研究グループでは,国内の汽水域におけるメタンの調査を行っています。
採水の様子
地球温暖化ガス測定のための前処理の様子
連絡先
〒690-8504
島根県松江市西川津町1060
島根大学大学院自然科学研究科物質化学コース
・管原庄吾
TEL/FAX 0852-32-6411
E-mail suga[at]riko.shimane-u.ac.jp
※[at]を@に変更してください。