南極藻類の分類と遷移
<南極藻類の分類と遷移>
南極の土壌から採取した藻類を形態学的および遺伝学的に種レベルで同定し、南極での藻類の遷移を解析することを最終目的に研究しています。形態学的な分類が難しい株の遺伝学的分類を担当しています。
2017年開始
南極土壌からの藻類の分離
共同研究者の大谷教授が南極昭和基地周辺から2000年~2008年の計9年間にわたって採集された土壌から藻類を分離し、形態的特徴から同定してきました。しかし、属レベルで同定が留まっている株が多く残されています。そこで、18S rRNA、18S-28S ITS(internal transcribed spacers)領域、rbcL(Rubisco ラージサブユニット)の塩基配列を決定して種レベルでの同定を行っている。特に、多数分離された、黄緑藻類のXanthonema属、Botrydiopsis属の遺伝学的分類を進めています。
Xanthonema属、Botrydiopsis属の遺伝学的分類
Xanthonema属の藻類は4つの系統に分かれることがわかりました。一方、Botrydiopsis属は3つの系統に分かれることがわかりました。共にこれまでに報告されているXanthonema属藻類、Botrydiopsis属藻類の遺伝子配列とは差異があり、南極独自の系統ではないかと推察されます。