植物の器官と呼称
植物の栄養器官は大別すると根,茎,葉に分かれます.さらに葉は葉身,葉柄,托葉(イネ科では葉身と葉鞘など)に分けられます.
双子葉植物の葉は葉身,葉柄,托葉からできていることが一般的です.たいていは葉身が光合成を行い,葉柄は葉身と茎をつなぐだけであり,托葉はあまり目立たないのですが,中には托葉が大きく発達する植物もあります.左のエンドウはその一例です.
イネ科の葉は葉身,葉鞘,葉耳,葉舌などからできています.穂や花のない状態でイネ科を分類するのは難しいですが,葉舌,葉耳の携帯がてがかりになります.
例えば,イネによく似た雑草であるタイヌビエは葉耳も葉舌もありません.イネは発達した葉耳と葉舌を持ちます.夏の畑の主要雑草であるエノコログサ(葉舌が毛状),イヌビエ(葉舌がない),メヒシバ(葉舌が膜状)も葉耳,葉舌の形態から見分けることができます.
茎と葉が接続する部分を節,節と節の間を節間といいます.
植物の中には葉が退化して,茎が主に光合成するものがあります.下のイグサもその一例です.有用植物には特徴的な形態を持つものが多数ありますが,人類が多数の植物の中から,特徴的な形態から有用性を見いだしてきたといえます.