JIS, ISO式四捨五入の規則は以下の3つです.
@ 一番近い丸め結果候補が1つだけなら,その数に丸める.
A 一番近い丸め結果候補が2つある場合は,末尾が偶数のものに丸める.
B 丸め処理は1段階で行わなければならない.
 この方法で以下に例示したいくつかの数字を小数第2位を四捨五入して小数第1位までに丸めると次のようになります.
 14.556→14.6,14.545→14.5,14.55→14.6,14.45→14.4
 別の数字を整数第1位に丸めますと以下のようになります.
 1000.4999→1000,1000.5→1000,1000.5001→1001,1001.5→1002

四捨五入の注意

  一般的な四捨五入では,丸めるべき桁の数字が0〜4ならば切り捨て,5〜9ならば切り上げてきました.しかし,末尾が5で終わるデータのとき,末尾の数字をいつも切り上げますと,厳密には下の表からわかるように四捨五入では,ほんのわずかに大きい方に数字が偏ります.
参考図書
 定量分析化学 デイ,アンダーウッド著 鳥居泰男・康智三訳 培風館 P34
 生物統計学 ソーカル,ロルフ著 藤井宏一訳 共立出版 P16
 データのとり方とまとめ方 ミラー,ミラー著 宗森信,佐藤寿邦訳 共立出版 P40

元の数

5.00

5.01

5.02

5.03

5.04

5.05

5.06

5.07

5.08

5.09

5.045

四捨五入すると

5.0

5.0

5.0

5.0

5.0

5.1

5.1

5.1

5.1

5.1

5.05

0

-0.01

-0.02

-0.03

-0.04

0.05

0.04

0.03

0.02

0.01

平均

 そこで末尾が5で終わり,その数字を丸める場合には丸めた数字の末尾が偶数になるように丸めるJIS, ISO式四捨五入を使う方がよいでしょう.この方法なら丸めることによる誤差は最小となります.

元の数

5.00

5.01

5.02

5.03

5.04

5.05

5.06

5.07

5.08

5.09

5.045

四捨五入すると

5.0

5.0

5.0

5.0

5.0

5.0

5.1

5.1

5.1

5.1

5.04

0

-0.01

-0.02

-0.03

-0.04

-0.05

0.04

0.03

0.02

0.01

平均

戻る

元の数

5.10

5.11

5.12

5.13

5.14

5.15

5.16

5.17

5.18

5.19

5.145

四捨五入すると

5.1

5.1

5.1

5.1

5.1

5.2

5.2

5.2

5.2

5.2

5.15

0

-0.01

-0.02

-0.03

-0.04

0.05

0.04

0.03

0.02

0.01

平均

 上のように,5.05の場合は切り下げ,5.15の場合は切り上げるのでこの2つで偏りを相殺できます.
練習 次の数値をJIS, ISO式四捨五入に基づいて,小数第1位に丸めましょう.
 3.589,100.03,0.045,8.85

答え
 3.6,100.0,0.0,8.8