sambaを使ったファイルのやりとり

win7とwinXPの違い

測定用のPCにおいては、WinXPやWin7などのサポートの切れたOSを使っているものが多くある。これらのPCからデータを取り出すときに、どのようにするかが問題である。直接USBメモリなどを挿すと、そこからウイルスが感染する可能性があるし、ネットワークに繋ぐと同様である。そこで、以前構築したのが、閉じたネットワークにLinuxPCを参加させて、そのPCからUSBメモリで取り出す仕組みである。Linuxにウイルスが感染してそれがWindowsに伝染ったらどうしようも無いが、その可能性は非常に低くなる。

十年ぐらい前に作った時には、/etc/fstabには以下のように記述していた。

//ip_win7/DATA  /home/user/dir1/  smbfs iocharset=utf8,password=,defaults,ro,user 0 0
//ip_winxp/DATA  /home/user/dir2/  smbfs iocharset=utf8,password=,defaults,ro,user 0 0

これで、起動時にwindowsのディレクトリがLinuxにマウントされる。今回、PCも古くなったので、一新することになった。Debian10を入れて、sambaを使うためにcifs-utilsを入れる。smbfsとcifsで使い方はほとんど一緒だと思ったのだが、微妙なところが違って苦労した。結局、以下のように記述した。

//ip_win7/DATA /home/user/dir1 cifs iocharset=utf8,password=,user,dir_mode=0755,file_mode=0755 0 0
//ip_winxp/Data /home/user/dir2 cifs iocharset=utf8,password=,user,dir_mode=0755,file_mode=0755,vers=1.0 0 0

まず、重要なのが、ディレクトリの最後のスラッシュの有無である。次に問題なのが、マウントしたときのmodeの指定である。最後に悩んだのが、win7とwinXPの違いである。XPではSMB1.0なのだが、vers=1.0を指定しないとアクセスできない。7はSMB2.0にも対応しているので、指定しないでも大丈夫なようだ。

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Rの高速化

BLAS/LAPACKとparallel

行列を使って対角化などの計算をやっていたのだが、高速化ができないかを試してみた。

Rの通常の計算はそれほど速くないが、Rの行列計算は、BLAS/LAPACKを使っているので、それなりに速い。sessionInfo()とすると、どのBLAS/LAPACKを使っているかが表示される。標準のもの以外にも、openblasやatlasやintel-mklなどがあり、これらを使うことにより、多少速度が変わるらしい。debianの場合は、libopenblas-base, libatlas3-base, intel-mklをaptで入れて、

sudo update-alternatives --config libblas.so.3-x86_64-linux-gnu
sudo update-alternatives --config liblapack.so.3-x86_64-linux-gnu

とすると、これらを変更できる。私の環境では、atlasが若干速かったので、これを使うようにした。

繰り返し計算などで有効なのが、並列計算である。近年のCPUの多くが、複数のコアを持つので、これらを使って同時に計算をすることができれば、原理的にはコアの数の分だけ速くなるはずである。Rでは、parallelというlibraryを使うと、比較的簡単に並列計算ができるらしい。

library(parallel)
cores <- detectCores()
cl<-makeCluster(cores,type="PSOCK")

として、コアの数だけ同時に計算できるようにして、clusterApply()やparSapply()を使って、リストやベクトルの計算をすれば良いのだが、それぞれのコアライブラリを組み込むためにclusterEvalQ()で実行したり、変数を認識させるためにclusterExport()を使ったりする必要がある。計算の準備などをするために、実際にはコアの数分の一にはならないが、それなりには速くなる。また、最後にはstopCluster(cl)としておく。

単純な計算の並列化には成功したが、関数の中でmulti-coreを使って計算しようとしたら、環境の部分などでトラブって、なかなかうまく行かない。Rを使うと比較的簡単に並列計算ができることが分かったが、いろいろと癖がありそうである。

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Rで三次元のベクトルの計算

Rで外積

Rにベクトルの計算をさせていたら、通常の外積が無いことに気がついた。とりあえず、適当に定義してみた。

"%v%"<-function(x,y)c(x[2]*y[3]-x[3]*y[2],x[3]*y[1]-x[1]*y[3],x[1]*y[2]-x[2]*y[1])

これでa%v%bとすれば、ベクトル外積が計算できる。名前は平行六面体の体積を計算するときに使うので、vにしてみた。oもxもすでに使われているし。

"%v%"<-function(x,y)x[c(2,3,1)]*y[c(3,1,2)]-y[c(2,3,1)]*x[c(3,1,2)]

の方がRチックで良いかな。

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小型のarduino

arduinoとLUFA それなりに昔のことになるが,書き込み機が簡単に自作できるということを知って,マイコンとしてAVRを使うようになった.当初はtinyを使っていたが,ピンの数が足りなくなって,megaも使うようになった.ハンダ付けや配線と書き込みが面倒だと感じて居たのだが,arduino自作用の基盤を使うと,それらが楽になることに気が付いて,しばらく使っていた.そして,中国製のarduinoが安価に手に入るようになったので,arduinoも使うようになった.arduinoとしては,UNOを最初に使ったが,nanoはそれとほぼ同等の性能で小型なので,小さい部分に使う時に使うようになった. USBと通信のできるnanoよりも小さくて16個以上のピンのものが必要になった.nanoの基板の片側を切り取れば,希望の大きさになり,その部分には重要な回路は無いので一応動作することが分かったが,面倒だし美しくない.いろいろと調べたら,arduino pro microというのが,それなりに小さくてピンの数も大丈夫だということが分かった.さらに,これはAVR本体でUSBと通信しているので,USBをシリアル以外としても使うことができる. arduino pro microは,arduino Leonardoを小型にしたもののようで,AVRとしては,atmega32u4を使っている.通常のarduinoとは違って,USB-serial変換ICが無いので,書き込みの癖が強いらしい.実際にやってみたが,うまく行ったり行かなかったりで,調子は良くない.このAVRについて調べていたら,LUFAというものを発見した.arduinoでは無いのだが,独自のbootloaderを作っており,今回の目的に一致するように感じたので,少し使ってみた. LUFAをdownloadしてunzipすると,いろいろなfileができるが,Bootloaders/MassStorageにあるBootloaderMassStorageを使うことにした.これは,AVRをharddiskのような形で認識させて,そこにファイルのような形でプログラムを転送して,AVRに実行させるものである.まず,makefileを編集して,以下のようにparameterを変更する. MCU = atmega32u4 BOARD = LEONARDO F_CPU = 16000000 FLASH_SIZE_KB = 32 BOOT_SECTION_SIZE_KB = 4 そして,BootloaderMassStorage.cを必要に応じて変更する.bootloaderが実行されると,watchdogリセットがかかってApplication_Jump_Check()が実行され,ここからプログラムに飛ぶ.このsubroutineのLEONARDOのところのピンの条件を変更すると,その条件が満たされたときには,プログラムに飛ばずにプログラム転送modeになる.makeすることによってhexファイルを作成し,ISPでpro microに書き込む.arduino as ISPを使う場合には,以下のコマンドである. avrdude -p m32u4 -c avrisp -P /dev/ttyUSB0 -b 19200 -B 4 -U flash:w:"BootloaderMassStorage.hex" -v ちなみに,fuseはE:CB, H:D8, L:FFとなっていた.BOOTRSTは0となっているが,1にすると直接プログラムに飛ぶのだと思う.必要に応じて,fuseも書き換えれば良い.プログラム転送modeになったときには,二つのLEDが交互に光る.この状態でAVRはmediaとして認識されるので,binファイルをddで転送する.cpでcopyしたらダメだった.sdbとして認識している場合には,以下のコマンドでファイル転送できる.もし,sdbが別のdiskを示している場合には,それを上書きしてしまわないように注意が必要である.書き込んだ後にumountすることもお忘れ無く. sudo dd if=output.bin of=/dev/sdb seek=4 arduinoを使って書けるようなプログラムは,その方が簡単に作ることができる.転送するプログラムのbinをarduinoで作る方法を説明しよう.まず,arduino IDEはaptで入れるのでは無く,本家から新しいものをdownloadしてinstallする必要がある.File - Preferences - Additional Boards Manager URLs:のところにhttps://raw.
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genmatrixで行列を作る

maximaで角運動量演算子
Rで角運動量演算子の行列を計算するプログラムは、以前に書いて、時々使っているが、Rでは変数を含んだ計算をすることができない。そこで、maximaを使ってこの行列を計算するプログラムを書いてみた。maximaについてはど素人なので、無駄な部分が多いと思うが、これを使うと変数を含んだ変形が簡単になるはずだ。ただし、行列の掛け算は.を、行列のn乗は^^を使うことに注意しないといけない。最後の行は、核四重極相互作用の行列を例として示した。

mjz(j):=genmatrix(lambda([a,b],if a=b then j+1-a else 0),2*j+1,2*j+1);
mjp(j):=genmatrix(lambda([a,b],if a=b-1 then sqrt(a*(2*j+1-a)) else 0),2*j+1,2*j+1);
mjm(j):=transpose(mjp(j));
mjx(j):=(mjp(j)+mjm(j))/2;
mjy(j):=(mjp(j)-mjm(j))/2/%i;
me(j):=ident(2*j+1);
3*mjz(j)^^2-j*(j+1)*me(j)+n/2*(mjp(j)^^2+mjm(j)^^2);

2020/4/15追記 久々に使おうとしたら、代入がコロンだということを忘れていて、なかなか動かなくて苦労した。

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USBaspを使った書き込み

arduinoISPとUSBasp

arduinoをいじっていて、シリアルからの書き込みに失敗したので、書き込み機から書き込むことにした。しかし、手元に書き込み機が無かったので、調べてみたらarduino UNOをISP書き込み機にするという方法があるらしい。rduino IDEのFile-Examples-ArduinoISPで選んだsketchをUNOに書き込めば良い。以下の通りの接続をして、Arduino as ISPを選択して書き込む。

10 RESET
11 MOSI
12 MISO
13 SCK

しかし、うまく行かないときもあるので、別の方法を試してみることにした。USBaspという書き込み機を以前購入したのを思い出して、使ってみることにした。ubuntu linuxを使ってやっていたのだが、portのpermissionが無いと言われる。調べてみたらplugdevというgroupになっていたので、ユーザーをplugdev groupに登録したら、書き込めるようになった。bootloaderの書き込みは、以下のような表示が出るが書き込みはうまくいっているようだ。

warning: cannot set sck period. please check for usbasp firmware update.

また、実際のsketchを書き込む場合には、Upload Using Programmerをメニューから選ばないといけない点も注意が必要である。ちなみに、この書き込み方だとbootloaderも上書きしてしまう。

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