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中国人民大学経済学院と北京科技大学で国際交流事業を実施しました

2025年9月25日

 2025年9月23日から24日にかけて、中国人民大学経済学院と北京科技大学にて島根大学との国際交流事業が開催されました。本学からは、関耕平教授(当研究所副所長)、野田哲夫教授(当研究所客員研究員)、および学生が参加し、両大学の教員・学生との活発な交流が行われました。
 23日に行われた中国人民大学との交流では、「持続可能な地域づくり」と「地域活性化」をテーマにした2つの講演が行われ、日本の先進的な取り組みや研究成果を紹介しました。
 23日午前には学術セミナーが行われ、関教授が「日本における地域循環型経済と有機農業の発展」をテーマに講演しました。
 関教授は、日本の農業が長年にわたり化学肥料や農薬、輸入飼料に依存してきた一方で、そのことが生産コストの上昇や環境への負荷につながっていると説明し、こうした課題に対応するため、近年は自然の力を生かした「アグロエコロジー(生態系農業)」への関心が高まっていると述べました。また、島根県における実践例として、ツバメによる害虫対策や堆肥の活用など、地域の資源を循環させながら農業を行う取り組みを紹介し、「環境を守りながら農業を続けていくためには、地域の自然や資源を生かした仕組みづくりが重要である」と強調しました。
 質疑応答では、中国人民大学の学生から有機農業の普及や農業政策に関する質問が寄せられ、日本と中国の農業が抱える課題について活発な意見交換が行われました。
 同日夜には「デジタル経済実践フォーラム」が開催され、野田教授が「コンテンツツーリズム、アニメ聖地巡礼と地域経済」をテーマに講演しました。
 野田教授は、日本で広く知られる「聖地巡礼」を取り上げ、アニメやマンガの舞台となった地域をファンが訪れることで、観光や地域経済に大きな効果をもたらしていることを紹介した。『氷菓』や『君の名は。』などの作品を例に、宿泊や飲食、交通などの消費拡大だけでなく、地域の知名度向上や文化発信にもつながっていることを紹介しました。また、アニメやマンガなどのコンテンツと地域資源を結び付けることで、新たな観光需要を創出できると述べ、人口減少や地域活力の低下に直面する地方にとって有効な地域振興策となり得るとの見解を示しました。
 参加した学生からは、コンテンツを活用した観光振興の持続可能性や若者の観光行動の変化などについて多くの質問が寄せられ、議論が交わされました。
 また翌24日には、北京科技大学において研究交流セミナーが開催されました。このセミナーでは、関教授が「公害被害地域における環境再生と移行ガバナンス:栃木県足尾町と富山県神通川流域の比較検討」というタイトルで講演を行いました。
 関教授は、足尾鉱毒事件(栃木県足尾町)とイタイイタイ病(富山県神通川流域)を比較分析し、公害対策は被害救済だけでなく、自然環境や地域コミュニティの再生、持続可能な地域づくりへ発展する必要があると指摘しました。そのうえで、被害補償や加害企業の責任が明確化され、企業・住民・行政の協働体制が築かれた神通川流域では環境再生が進展した一方、足尾町では責任の曖昧さや主体間の連携不足により環境再生が停滞していると分析し、地域再生には、自治体が調整役となり、多様な主体の協働を促すガバナンスが重要だと結論づけました。
 質疑応答では、中国の環境汚染問題との違いや日本の事例から学ぶべき教訓について議論が交わされました。
 今回の交流事業は、両大学と島根大学が長年にわたり続けてきた友好交流の一環として実施されたものです。農業、観光、地域経済といった身近なテーマを通じて、学生・研究者が知見を共有し、相互理解を深める貴重な機会となりました。今後も両大学との学術交流と学生交流を継続し、日中両国の若い世代の交流と研究協力をさらに発展させていきます。

関教授の講義の様子

関教授の講義の様子

野田教授の講義の様子

中国人民大学にて

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