エクセルによる繰り返しのある二元配置の分散分析のやり方
1.各処理について2つ以上のデータ(反復)があれば、2つの要因の間の交互作用を解析できます。エクセルでは繰り返しのある二元配置を使えば、交互作用も解析できます。
 下の表のようにデータを入力します。反復は行を増やす方向で入力しないと、エクセルでは正しく認識されません。
2.エクセルで分析ツールを起動し、分散分析:繰り返しのある二元配置を選択します。
3.必要な情報を入力します。入力範囲にはデータ名も入るようにします。1標本当たりの行数とは各処理の組み合わせの反復数をいれます。αには有意水準を入力します。
4.下のような結果を得ました。この場合、標本(薬)はP−値がきわめて小さいので、きわめて高度に有意差が検出できました。列でも1%の有意水準で有意でした。交互作用も1%水準で有意でした。繰り返しのない二元配置と平均の同じデータを使って、解析したのですが、反復を設けて、交互作用を取り出すことで、分散分析の検出力がいかに高まるかを実感できると思います。
5.交互作用のあるときは、個々の要因だけを取り出して、結論を出すことができません。交互作用がなければ、餌の要因だけを取り出して、麦わらが最も効果があるといえるのですが、交互作用がありますから餌と薬の両方を見て、結論を出す必要があります。
 ただし、交互作用の分散が、処理の分散に比べてかなり小さい場合には、個々の処理の効果を論じることもできます。この場合、薬の分散はかなり大きいので、薬単独の効果もかなりあるといえます。一方、餌の分散は交互作用の2倍程度なので、餌を単独で評価するのはすこしむずかしいといえます。
 交互作用のあるときは以下のようなグラフを書いて、どんな交互作用があるのかを考える必要があります。
 上のグラフを見ると、以下のようなことがいえそうです。
1.平均して一番効果の高い薬であるBは平均して一番効果の高いえさである麦わらと相性が悪い。(打ち消しあう交互作用)
2.対照区、薬A、薬Dだけに限定すると交互作用はあまりない。
3.平均して一番効果の高い薬Bが麦わらと相性が悪いので、組み合わせとして一番よいのは麦わらと薬Aということになる。
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