【 研究テーマ


当研究室では有機合成化学を基礎として, 医薬品,農薬,香料などの生理活性物質,および機能材料の高効率な供給を可能とする新しい合成反応の開発を行なっています。さらに,特異な機能発現を指向した触媒の設計, ならびにこれらを用いた新しい合成方法論の研究を展開しています。

「ファーストインパクトの内容を目指して」新しい概念の創出が重要であるとの考えのもと取り組んでいます。

 以下に,最近の研究成果を紹介します。

ルイス酸触媒を用いた酸素原子の活性化によるカルボカチオンの発生を伴った反応開発
 ルイス酸触媒を用いたジアリールメターノールと2-ナフトール類との直接的Friedel–Crafts反応の開発に取り組み,その置換基効果を綿密に評価することで,基質一般性の高い反応を確立しました。

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 引き続き,上記手法を不斉反応へと拡張することを目的として,入手容易なキラル補助基を導入した,ジアステレオ収束的なFriedel–Crafts反応の開発に成功しました。この反応で得られる2-ナフトール誘導体は有機合成化学,機能性材料,創薬化学など様々な分野での利用が期待されます。

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簡便かつ高効率な化学選択的な脂肪族第1級アミンのN-アセチル化反応の開発
 アミド化反応は有機合成化学における最も基本的な反応のひとつとして知られています。このうち,N-セチル化反応はアミンの保護基として利用されるだけではなく,アセトアミド自体も重要な官能基となります。
 当研究室では,ピバル酸あるいは酢酸を活性化剤として,酢酸エチルを溶媒かつアセチルドナーとして用いる,簡便かつ高効率な脂肪族第1級アミンの化学選択的な
N-セチル化反応の開発に成功しました。本反応は官能基許容性が高く,アルコールや芳香族アミンの存在下で,化学選択的に進行することを明らかにしました。

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キラルな求核性グアニジン有機分子触媒の創製と不斉反応への応用
 
キラルな求核性グアニジン触媒(R)-NMBGおよびその改良型(R,R)-NßNpEtBGを用いたラセミ芳香族ß-ヒドロキシエステルの基質一般性の高い速度論的光学分割法を確立しました。    

     研究概要3

 また,キラルな求核性グアニジン触媒(R,R)-NßNpEtBGは,不斉シリル化反応も効率的に触媒することを見出し,ラセミ1-インダノール類の速度論的光学分割法の開発に成功しました。この反応は歴史的に挑戦的な課題として残されていましたが,本手法はこれまでで最高の選択性を与え,この困難を克服することができました。
 
     研究概要-2


その他 in progress