当コースでは、地域のフィールドに入って、現場の声を聞き状況を見聞きする機会を多く設けています。早くから現場を知っておくと、授業もスムーズに理解できますし、何よりも自分自身の感覚と知識を磨くことになります。
農産物加工施設での見学の様子
農村社会の現場を観察し、分析する場が農村調査分析論です。2年次に通年で行います。講義前半では、調査課題の設定、課題に関連する資料の収集と整理の方法、課題に則した調査票の作成方法を学んだ上で、調査対象とする農村に出かけて少人数のグループを単位として調査を行います。
講義後半では、調査結果を分析する方法を学びます。また、現地発表を行った上で調査報告書として取りまとめます。以上を通じて農村社会調査の方法を体得することができる他、農村の現状を経験的に理解することで、教室での講義の理解度を高め、卒業研究につなげていきます。
農産物直売所での聞き取り調査の様子
手植えの様子
地域社会の成り立ちを、「都市と農村」の視点、「市町村自治」の視点、「農業集落社会」の視点から見直すとともに、地域社会や地域経済の発展のための理論を学ぶことで、地域活性化の論理的思考力を養います。
専門科目の一つである地域経済学の講義の一環で、「浜田学」に参加しました。午前中は浜田メイプル牧場の施設見学を行い、午後は弥栄町での営農の取り組みについて学びました。お昼には弥栄町の方々のご厚意で地域の農産品を活用した手作り昼食をいただきました。
弥栄町産の手作り昼食をいただく様子
保永研究室がお世話になっている、地域住民による会社「えーひだカンパニー株式会社」(安来市広瀬町比田)が「しまね大交流会」に出展しました。保永研究室も、新米の試食アンケートの実施など、出展に全面協力しました。展示ブースには大奥の学生や社会人が訪れ、「大交流会」の名にふさわしい一日となりました。アンケートデータは集計し、その結果をえーひだカンパニーの総会で報告しました。
しまね大交流会の様子 (しまね産学官人材育成コンソーシアムより引用)
ミクロ経済学では、市場における消費者や生産者の合理的な行動を理論的に整理し、消費社会の原理を理解します。
地域資源管理学では、マーケティング論や経営戦略論、消費者行動論の要諦を学び、地域資源を有効に活用する方法論を獲得します。
消費者や生産者の行動と地域資源
日々の食と農を支えている農業経営について幅広く分析することができる農業経営学の基礎理論を学びます。農業の経営形態、費用、経営組織について学び、生産現場の実態把握の「道具」を手にすることを目指します。
牛放牧の様子
農業経済の観測データを用いて経済理論を検証するための基本的な考え方と方法を学びます。統計解析を身近な「道具」として捉え、将来、実際に使っていただく契機となることを目指します。
食と農、それを取り巻く社会を幅広い視野で歴史的に考察し、その未来を見通す眼を培います。近現代日本の農業・農村問題、山陰の農・漁業問題に関する基本的知識の習得と自らの考え・意見を持つことを目指します。
日本の農業や農村はさまざまな問題を抱えています。農業や農村の問題を考える場合、現状を把握することに加え、歴史的な視点から捉える姿勢も不可欠です。農政学では、戦後から現代に至る日本の農業政策、とくに日本人の主食であるコメに関する政策を中心に、時代背景・内容・結果について学びます。
農業政策の関係を表した図
「農学」は、自然科学系(農作物の栽培、育種など)および社会科学系(農業経済学)の多くの分野によって構成されています。農学原論では、「農学」という学問そのものがどのようにして確立されたのか、ヨーロッパにおける近代農学の成立と発展を通して学びます。