イネカルスからのタンパク抽出法

 

継代後3-5日目のカルスを材料にした場合を例にする。

1.         遠心機を4℃に予備冷却しておく。

2.         液体培養を止めて、細胞を茶こしに集める。

3.         キムワイプで軽く水分を取り除く。

4.         マイクロチューブに100mgFW)を入れる。

5.         チューブを氷上に移す。

6.         5倍容のタンパク抽出バッファーに以下の試薬を加える。

1/200量のβ-メルカプトエタノールを加える(直前調製)

1/30量のPMSF(プロテアーゼインヒビター)を加える(直前調製)

100mgにつき10μlProtein Inhibitorを加える(必要時)

7.         6をサンプルに加え、ホモジェナイズペッスルを使ってホモジェナイズする。電動ドリルを使った方が抽出効率が上がる.

8.         15000rpm 20min 4℃で遠心する。

9.         上清を新しいチューブに移し、これをタンパク粗抽出液とする。通常3-7ug/ulのタンパクが抽出できる。

 

タンパク抽出バッファーの組成

0.1M Tris-HCl(pH7)・・・・・・・・・葉緑体の酸素発生系の阻害作用

10mM DTT・・・・・・・・・・・・・・SH基保護効果 抽出直前に加えるのが効果的

5mM EDTA・・・・・・・・・・・・・・メタロプロテアーゼ阻害剤

1% Polyvinylpyrolidone・・・・・・・・フェノール化合物吸着剤

β-メルカプトエタノール・・・・・・・・1/200量直前調製 DTTと同様の効果

30mM PMSF・・・・・・・・・・・・・1/30量直前調製 プロテアーゼ阻害剤

Protein Inhibitor (sigma P9599) 阻害剤のカクテル  100mgのサンプルに10μl加える。