Peptide Mass finger printing のやり方

 

1.      マトリックスの調製

マトリックスはペプチドの場合CHCADHBを用いる。

CHCA1:10.1%トリフルオロ酢酸(TFA)水溶液/アセトニトリル中に2-10mg/ml

fmolレベルでのペプチド分析は3.6mg/ml

DHB7030=水/アセトニトリルに10mg/mlを一般的に利用する。

 

2.      サンプルとマトリックスの比率

マトリックスとサンプルの比率や

サンプルの濃度などはいろいろなコンビネーションを試すとよい。

ペプチドを入れないバックグラウンドコントロールも用意するとよい。

 

3.      プレートへのロード

サンプル0.5μlをまずアプライし、続けてマトリックス0.5μlをアプライする(比率は調整する)。

サンプルが乾いたなと思ってから10分間から30分間置いておいた方が良い。

CHCAは割ときれいな結晶を作るが、DHBは薄い膜をはる(見えないこともある)。

結晶がトゲ状になる場合やプレートの丸の縁にのみ出来る場合もある。結晶の見た目で一喜一憂しない。

 

4.      Shot

SensitivityModeでまずShotする。

Sourceの設定は

Sample plate 0

Extraction 10

Hexapole 10

Aperture 5とする。

 

測定したいSampleを選択し再生ボタンを押す。

Low Mass100

High Mass3000くらいにする。

Run Duration 0min

Scan Time(s)1とする。

TypeMS

Data Format Continuumにする。

Sample Plate ControlCorssHairsにする。

 

MassLynxChromatogramを開く

開いたウィンドウ内を右クリックする。

どちらのウィンドウもリアルタイムボタンを押しておく。

 

Startを押す

Laser Energyはデフォルトは280とする。

TrapTransferOffにする。

ファイアーボタンを押すとShotされる。

矢印を移動させることでレーザーの当てる部分を移動させる。

 

※レーザーが時々しかショットされていないときの対応

MaldiSource setting LaserFiring Rate200Hzにする。

ここは通常絶対にいじらないこと。

 

MS/MSを行いdenovo Seqを行う

 

再生ボタンを押す

TypeTof MSMSにする。

Precursor Massを親マスに設定する。小数点一桁まで入力すること。

Low Mass50 High Massを親マス+50くらいに設定する。

その他の設定はMSと一緒

Start

まずTrap TransferOffにする。

これでShotし親マスだけが検出されていることを確認する(実際は前後のマスも見える)。

親マスが確認できたらTrapOnにして40に設定してShotする。

※ペプチドは40から150の間、その他は50から200くらいで検討する。

親マスが壊れているか確認する。

完全に壊れていれば40よりも下げる。壊れていなければ上げる。

適当な電圧になるように10刻みで上げていく(m/zが大きい物は壊れにくいので電圧をかける。小さいものは壊れやすい)。

※親マスからちょうど1アミノ酸くらいずつの間隔でピークが出ている条件が最適。

※親マスが壊れているかどうかよりも低分子側に間隔をあけて強いシグナルが見えているかがポイント。

※あまり自動でショットせずに、少しづつ電圧を上げていく。得られたデータすべてを積算すると良い。

サンプル量があるときは、隣のスポットにも移動できる。またそのデータは積算できるのでsn比が上がるように時間をかけてshotすることも良いことである。

 

Biolynxを使ってdenovoシーケンスを決定する

 

1.      データ(dataフィルごと)をウィルススキャンしたUSBチップに移す

2.      MassLynxを起動する

3.      Biolynxタブを開く

4.      Chromatogramから解析したいファイルを開く

5.      右クリックして積算する

6.      全体を選択してproseccMaxEnt3

7.      Min Mol mass 0

Max は親マスより少し大きく設定

Max no of Charges1にする。 ESIの時は3にする。

Peptideを選ぶ

Resolution10000にする(Sensitivityモードの時)。

Resolutionのときは20000にする。

OK

8.      WindowTileにする。

オリジナルデータがアイソトープピークを含むが、解析後のデータは者愛想トピックになっていることを確認してWindowを閉じる。

9.      BiolynxPeptide sequencingを選ぶ

10.   Newを開く

11.   FileLoad Spectrum→解析したいファイルを選ぶ→HistoryMaxEnt3を選ぶ(頭が同じ名前のものが複数ある場合MaxEnt3処理した時間からファイルを選ぶ)。→OKOK

12.   PrecursorMassを入力する(小数点一桁まで)

Monoisotopicを選ぶ

Threshold0.75を入れる。後でノイズかピークかを見比べながらこの数値は上げ下げする。

Fragment Ion Tolerance M/z tolerance (キャリブレーションが正確ならば0.1を入れる。今回はキャリブレーションが当たっていないので0.3にした)

13.   親マス上で右クリックする。Find Tags

High to low mass

Max tag length を2にする。

Ion series typeをyにする

OK No peptoide sequence tags foundとなった場合は低マス175から解析する

14.   Find tags

Low to high mass

OK

15.   ウインドウ左上のSequence候補を変えてみてつじつまの合うものを探す。

16.   低マスからも高マスからも進めないときは中間の典型的なピークから攻める。

 

これ以上は経験値が要求される。