酵母ホストの取扱い方

 

 酵母はプレートからプレートへ植え継ぐか、グリセロールストックから起こし直すことで半永久的に菌体を維持できる。プレートからの植え継ぎを何代も行うと変異が入る可能性があるので、できるだけグリセロールストックから起こして使うこと。培養は液体の場合終夜培養、固体培地の場合は24日行う。30℃のインキュベータを用いて液体の場合は振盪培養、固体の場合は逆さまにして培養する。

 

<培地の種類について>

すべてpH5.5で統一する。炭素源は他と別にオートクレーブすることで培地の変色を防ぐことが可能(栄養的には問題ない)。

l         SC培地…グルコースを炭素源とする培地。マーカーとなるアミノ酸を抜くとSC-ura培地などとなる。遺伝子導入酵母の培養に用いる。発現を抑制するが、成長は早い。

l         SG培地…炭素源をガラクトースとする。SG-uraとすることで選抜性を得る。遺伝子を発現させるのでスポットやストリークでの比較培地に使用。成長は遅い。

l         YPD培地…WTや遺伝子未導入酵母の培養に使用。アデニンを加えるとYPDAとなる。選抜性はないが成長は早い。

l         完全培地…すべてのアミノ酸を含む。WTと遺伝子導入酵母を同時に同じ培地で比較したい場合に使用。選抜性はない。