分光光度計の使い方およびBradford法によるタンパク定量法
1.
Bradford法のプロトコールを見ながらスタンダードとサンプルにBradford試薬を入れるところまで行う。
※
試薬を入れる前に分光光度計が使用中でないか確かめておく。
2.
分光光度計横の使用リストに必要事項(日付・使用した時間・氏名・所属研究室・使用波長)を記入する。
3.
プリンターの電源を入れた後に、本体の電源(右端の裏にある)をONにする。
4.
画面が表示されるまでしばらく持ち、そのあとすべてpassedになっていることを確認する。なっている場合はquitを押す。
※
light pathやditectorがNGになっている場合はサンプルを読み取る部分に息を吹きかけてきれいにするとpassedになる可能性がある。それ以外がNGの場合は大島先生へ連絡する
5.
次にFixed Wavelengthをクリックする。
6.
Auto Samplrを見てAuto Samplrにチェックがあるかを見る。
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これは自動で6回読みとるということを示している。DNAの時はNoneにし、1回のみ行う
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なお、Results File等には絶対に触らない
7.
Sample IDを設定波長(今回は595)に設定する。
8.
最初に脱イオン水を測定する。セルを右側のフタを開けたころにあるケースに6個セットし、ななめにしながら泡を入れないように水を入れる。
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セルを持つ時は光が通る方(Y字の様な模様がある方)を絶対に触らないようにする。
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もし泡が入ってしまった場合はケースを何度か水平なところ(机など)にトントンと叩いて、泡をなくすようにする。
9.
セルを入れるケースに番号が書いてあるので、1を向こう側、6を手前側にして本体に入れ、フタをする。
10.
通常可視光線で行うのでパソコン画面の左下あたりにあるVISをONにする。
※
UVを使うときはUVとVISをONにしておく。
11.
BLANKを押し、MATCHで修正を行い、6つのセルの誤差を修正する。
12.
Match wavelengthを595.0にしてOFFとなっているものをONとし、Match Cellsをおす。
13.
READ Sampleをおして各セルの吸光度が0になっていることを確認する。
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ぴったり0でなくてもいいが1などの数字が出た場合は異常である。
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Single Cellの場合はこのMatching作業はできない。
14.
Sample Clearを押し、“保存しますか?”というメッセージが英語で出るので左の方のチェックをはずしてOKを押す。(保存はしない。チェックをしたままだと保存されてしまう)
15.
測定に用いた脱イオン水は窓側にある吸水機で吸い取り、よく水気をとる。
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吸水機は、止める際に必ずホースを本体から引き抜きスイッチをOFFにする。これを忘れると水が逆流してしまう。
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ピペットで吸い取る場合は先にシリコンチューブのついたものを使用しセルが傷つくのを防ぐ。この時の廃液は流しに捨ててよい。
16.
スタンダードをさっきのイオン水を入れる要領で1〜6まで順番に入れ(1から濃度が低い順に)、本体へセットしRead Sampleを押す。
17.
吸光度の測定が終わったらPrintを押して、結果を印刷する。
18.
終わったものはさっきの要領で、吸水機で吸い取るか、シリコンチューブを先につけたもので廃液入れへ移すかを行い、その後各セルを70%エタノールで洗う。最後にDWでよくすすぎ、水気を切る。
※
この時、吸水機で吸う場合を除いて廃液はすべて廃液入れへ。流しには捨てないこと。
19.
パソコン上にある結果を保存しないで消す。
20.
スタンダードとまったく同じ要領で自分の計測したいサンプルをから順に入れていき、計測を行う。
※ もし計測するものが6つなければ後ろの方の番号のセルは空のままで良い。
21.
自分の計りたいものの計測が終わると、プリンターの電源を切り、本体の電源を切る。
※
なるべく画面は初期画面にした方がいい。
この実験の結果が1を超えることはない。
以上のスタンダードの実験結果を用いてタンパク質の濃度と吸光度の関係をグラフに表し、そこからサンプルのタンパク濃度を求める
1. パソコンのExcelを立ち上げる。
2. 表を作りスタンダードの実験結果から得た数値を打ち込む。
※プロテインの濃度は使っているBSAが0.1μg/μℓなので0,20,40,60,80,100ではなく上記の濃度となる。
3.
グラフ(散布図)を作成する。
4.
グラフ中の点(どれでもいい)を右クリックし、近似曲線の追加、多項式近似を順にクリックし、OKを押し近似曲線を描く。
5.
書いた近似曲線を右クリックし、近似曲線の書式設定をクリックしオプションタブを開く。“グラフに数式を表示する”と“グラフにR-2乗値を表示する”にチェックを入れ、OKを押す。
※
これでR2の値が1に近いほどよい
6.
グラフの式のXに計測して得た3つのサンプルの平均値を代入し計算し濃度を求める。
※
Excelで×は*、2乗は^2とあらわす。
※
また、ここで自分がサンプルとして使ったものの量や希釈した倍率などから原液の濃度を正確に計算する。
(例)もし10倍希釈したものを10μℓ分光光度計に使用したら、原液の濃度(μg/μℓ)は10倍希釈しているので出た値をまず10倍しなければならない。これだけではμg/10μℓの濃度を求めたことになるので10で割ると原液の濃度を求めることが出来る。
同じように100倍希釈したものを20μℓの場合だと、100倍にして20で割ることによって原液の濃度を求められる。
このように希釈した倍率と使用した分量をメモしておき、計算することで正確な値を求めることが出来る。