両生類変態とはどのような現象か?

発生過程で魚類型(aquatic)から陸上動物型(terrestrial)へと変化する

脊椎動物の進化を考えるうえできわめて重要な情報を提供してくれる現象です。なぜならば、オタマジャクシのころまでは魚類型(aquatic)の生活様式・からだの造りをしていたものが、変態とともに陸上動物型(terrestrial)tetrapods)型にかわってしまうからです。

陸上脊椎動物に特有な生物機構の原形は両生類において成立した

たとえば皮膚を考えてみると、角化する皮膚をもっているのは両生類からである。しかもオタマジャクシのころは魚類とおなじ角化しない皮膚であったのが変態とともに角化型(陸上脊椎動物型)に変化する。おもしろいことに哺乳類表皮細胞での分化のCaによる調節機構やケラチン合成の角化階層的な調節機構は、カエル成体の表皮細胞においても同様に存在します。

発生過程がユニークなわけ

両生類は発生過程に変態というきわめてユニークなシステムを持っている。胚発生の後期部分を極端に引き延ばし、しかも時間を長くしただけでなく自力でえさを摂取し、自由遊泳可能な体制にしてしまっている。このような例は他の陸上脊椎動物にはない。

変態はcell replacementによって起こる

変態期にはほとんどの幼生型器官がプログラム細胞死をおこない、その少し前から成体型の細胞の増殖・分化が進行する。つまり変態はcell replacementによっておこなわれる。

変態は甲状腺ホルモンによって誘導される

甲状腺ホルモンがカエルの変態を促進することが分かったのは、1912Gudernashによって、羊の甲状腺の乾燥粉末をえさにまぜて与えたときに変態が早期におこることを見い出したときからです。変態期における血中の甲状腺ホルモンの上昇、各組織の細胞における甲状腺ホルモンレセプターの発現上昇が変態進行の要と考えられます。

変態はホルモン-ホルモン相乗作用によって効率よく達成される

甲状腺ホルモンは変態を促進しますが、この作用を相乗的に強めるホルモンが知られています。コルチコイドが有名です。

変態しない(幼生期のない)カエルもいる?!

世の中には、幼生期を経ないで卵から成体型にまで一気に発生する(direct development)するカエルがいます。このカエルの発生はトリの発生によく似ています。

変態しないで幼生期に繁殖できるサンショウウオもいる。

これはneoteny(幼形成熟)としてアホロートルなどで知られています。

 

Reference

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