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島根大学 
生物資源科学部 
昆虫生態学分野

Shimane University
Faculty of Life and Environmental Science
Laboratry of Insect Ecology

研究紹介 宮永龍一

ハナバチ類(花粉と花蜜で子育てを行うハチの総称)を中心とした昆虫類の生態に関する研究を行っています.最近の主な研究テーマは次のとおりです.

@送粉昆虫としてのハナバチ類の利用・管理
 ハナバチ類は花への依存度が高いことから,作物の受粉を助ける
有用昆虫としても知られています.日本には数多くのハナバチが生
息していますが,これらが作物の生産や植生の維持にどのように関
係しているのかを調べています.




                                トマトの花から花粉を集めるブラジル産のハリナシバチの一種
                        胸の筋肉を震わせて花粉を集める“振動受粉”を行います.



Aハナバチ類の社会構造の解明
 生活史が多様で、さまざまな社会構造がみられるコハナバチ類を
中心に、ハナバチ類の社会性の起源について解析をすすめています。
単独で生活するハチたちが,どのようなプロセスを経て集団(社会)
を形成したのか,その進化的なプロセスを現代のハチの暮らしを通
して知ることを目的としています.



                        地中営巣性のハナバチを飼育するための施設“ビーベッド”
                        を作っています.山から運んだ赤土をここに敷きつめ,ハチ
                        の営巣場所とします



B地域昆虫相の解明

 私たちが住む地域にどのような生物が生息しているのかを把握す
ることは、環境保全の基礎知識として重要です。これまでに県内そ
の成果は、島根県のレッドデータブックなどにも反映されています。

調査フィールドはさまざまです.山陰地方のほか,南西諸島や中央
アジア各地で研究活動を行っています.


                        カザフスタンでの調査のひとコマ.赤いケシの花が絨毯のよ
                        うです.海外では何週間もキャンプをしながら,調査を続け
                        ます.