よく間違える母集団と標本の例

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例1.ボールに入れたあずきをスプーンですくって,その数を数えた.それを100回行った.

「母集団はボールの中のすべてのアズキで,実在母集団である」というのはまちがいです.
ここでの母集団はあずきをスプーンですくって,その数を数えてえた個数すべてとなります.
このような動作は何回でも理論的にはできます.
したがって,母集団は仮説的無限母集団となります.

例2.50m走を自分で100回やって,タイムを計った

「母集団は自分を含めた若者すべて,実在母集団である」というのもまちがいです.
ここでの母集団はこの人の50m走すべてで,理論的には何回でできますので,仮説的無限母集団となります.

例3.海洋汚染の進行を測定するために日本海10カ所から,サンプルをとった.

「海水のサンプルは将来も何回でもとることができるから仮説的無限母集団だ」というのはまちがいです.

海水汚染の進行を考えれば,将来の海水はさらに汚染が進むのか,汚染が改善されるのかはわかりません.したがって,将来の海水はここでは対象になりません.あくまでも測定するのは現在の海洋の汚染ですから,いくら広大でも地球の海水は有限ですから,実在母集団になります.