光学顕微鏡各部の名称

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光学顕微鏡の構造
 光学顕微鏡の構造は大別すると機械的部分と光学的部分に分けられる。顕微鏡の型によって少しずつ構造が異なるので、授業では実物をみながらそれぞれの部位の名前を説明する。

機械的部分
 鏡脚・鏡柱・鏡筒 顕微鏡の光学系はきわめて精密に設計されている。その光学系をしっかりと支える部分が鏡脚、鏡柱、鏡筒である。
 粗動ねじ・微動ねじ 粗動ねじでおおよそピントを合わせ、微動ねじでさらに正確に合わせる。機種によっては微動ねじの移動範囲が決まっているものもある。
 レボルバー ピントをほとんど変えないで、対物レンズを交換するための装置。
 ステージ プレパラートを置く台。標本を上下左右に移動させるメカニカルステージが標準的である。

光学的部分 光源から発せられた光がプレパラートを通過して観察者の目に入る順序で説明する。
 光源 明るい光を得られるハロゲンランプを用いることが多い。ハロゲンランプは素手でさわると寿命が短くなるので、交換の時などでは清潔な軍手などをはめて行う。顕微鏡写真ではコントラストを高めたり、自然な色を得るためにハロゲンランプの光をフィルターに通して使用する。
 (開口)絞り 光源から来た光束を調節する装置で、光束を絞ると視野が暗くなり、分解能が低下するが、焦点深度が深くなり、コントラストは増す。
 コンデンサー 絞りを通過した光束を集めて、増強し、対物レンズの解像力を高め、光の明るさを調節する装置である。コンデンサーは一番上に上げた状態から1〜2mmくらい下げた状態が通常は最もよい。コンデンサーがないあるいは固定された機種もある。
 対物レンズ 顕微鏡の解像力を最も強く支配するのが対物レンズである。対物レンズには性能の違いによってさまざまなものがある。対物レンズにその性能が刻印されている。顕微鏡写真を撮る場合にはプランアクロマート、高倍率でカラー写真を撮影する場合プランアポクロマートというレンズを使うことが望ましい。今回の実験で使う対物レンズはアクロマートといい、色収差を補正したレンズであるが、視野周辺のピントが甘くなるので、写真には向かない。対物レンズは何種類ものレンズを精巧に組み合わせたものである。丁寧に取り扱うこと。
 接眼レンズ 対物レンズで作られた実像を接眼レンズは虚像として拡大するので、対物レンズと違い、解像度を向上させることはない。接眼レンズの倍率は上側に刻印されている。右の写真のBが接眼レンズ、Cが対物レンズである。レンズを机の上に置くときは、ほこりの入らないように右の写真のような方向で置かなければならない。