ラテン方格法による実験配置の実際

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1.ラテン方格法での実験配置
 ラテン方格法では処理の水準と同じ数だけのブロックの水準をそれぞれ必要とします.例えば,入浴剤の例では入浴剤が3種類,すなわち3水準の処理であれば,被験者のブロックも浴槽のブロックも3水準が必要です.そして,考えつく限りのラテン方格からランダムに1つのラテン方格を選んで実験を配置します.
 しかし,実際には2×2のラテン方格は2つしかないのに対し,5×5になると161280個もありますから,下のように標準方格を1つ書き出し,その列と行をそれぞれ無作為化して,入れ替えることによって,ランダムなラテン方格を選ぶのが一般的な方法です.
2.ラテン方格法での分散分析
 入浴剤の効果の試験について,ラテン方格法で実施し,下のようなデータを得たとしましょう.
 2元配置の分散分析に比べて,ラテン方格法では3元配置になるので,計算は面倒になります.しかし,原理的なものは変わらないので,説明は省きます(エクセルでは3元配置の分散分析はできないのでほかのソフトで統計解析しますが・・・).上のデータから次のような分散分析表を得ます(SPSSで計算しました).
 分散分析の結果から入浴剤間には有意水準5%で有意差があると判定できました.さらに浴槽のブロックは5%水準では有意差はありませんでしたが,誤差よりも大きな分散であり,浴槽をブロックにして,誤差を減少できたことがわかります.一方,被験者のブロックによる変動は誤差と同じくらいの大きさしかありませんので,被験者の違いはブロック因子にするほどの変動をもたらすものではないことがわかりました.