第5回 オーストラリア・ニューサウスウエールズ州でついに40℃を観察しました

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2006年もオーストラリア・ニューサウスウエールズ州に行ってきました.ことしこそ高温に遭遇した開花中のイネに遭遇できるか???

今回は2つの農場を訪問しました.ひとつめはPevenseyという農場です.上の写真がPevenseyの水田ですが,実は中でヒツジも飼っています.左の写真では,わかりにくいとは思いますが,ヒツジの群れが白い点々で写っています.ヒツジは水が苦手なのか,イネはかじらないようですが,水田の水がしみこんで生える畦際の雑草を食べているようです.

ヒツジの糞が畦際に落ちていました.しかし,右上の写真のようにいかにも痛そうなとげとげした草はさすがに食べていません.こんな草だけが畦には点々と生えていました.

2006年2月1日についに待望の高温がおそってきました.左上の写真は気象測定の様子です.休耕田の上を熱い風が通り,水田にやってきました.

高温のこの日は開花時刻が正午前後でした.日本稲であるAmarooなので,開花が遅いのか,朝は冷えるので遅いのかよくわかりません.ただ次の日以降,気温は上がらなくなっていったので,開花も遅くなりました.開花時刻は高温ほど早まるようです.この性質によって,高温の時に,早く開花して,高温障害を少しでも避けることができるのかもしれません.

本研究は日本学術振興会の科学研究費補助金 基盤研究(C)平成17〜18年度 水稲における受精・稔実障害の発生条件の解明(研究代表者 松井勤岐阜大助教授)の研究分担者としておこなったものです.