平均(算術平均)

平均の定義は上のとおりです.言葉で表現すれば,すべての観測値を足しあわせて,観測数で割ったものということになります.エクセルで計算するときは上の式を理解していなくてもよいですが,平均の意味するところをしっかり理解しましょう.

中心化の傾向(中心的傾向あるいは中心傾向ともいいます)とは,データの集まりがどの値を中心として集まっているかということです.

中心化の傾向を表す代表値は,位置の統計量ともいうように集められたデータがグラフ上のどの位置にあるかを示します.わかりにくいかもしれませんが,要するに子ども(青)と大人(橙)の身長のデータを集めると子どものデータは大人のデータより小さい値が多いから下の図のようになるでしょう.このようにデータの全体的な位置が異なることを表すのが位置の統計量です.
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中心化の傾向を表す値として,メジアン,モードより平均が優れている点は,母集団が正規分布しているなら,標本による違いがあまりないということです.つまり3つか4つ程度の少ない標本であったも平均はメジアンやモードほど大きく変わりません.しかし,母集団が偏った分布をしている場合にはかならずしも平均がもっともよい代表値になるとは限りません..

 平均には,ここで定義したもっとも一般的な平均である,算術平均以外に幾何平均,調和平均というものもあります.幾何平均や調和平均は数値変換したときに正規分布に近似できるデータなどに利用されます.ここでは詳しくは述べません.詳細は生物統計学(共立出版)P41以降を参考にしてください.