練習問題の解答

練習問題
 今回,学習したように,特に環境による制約条件がなければ,葉への分配率を高めた方が植物の生育には有利です.植物Aは葉へ30%,茎・根に70%を分配し,植物Bは葉へ50%,茎・根へ50%分配するとします.光合成で新たに次年度のために作られる乾物の量は葉の乾物重の4倍とすると,植物Aは3年後に144g,植物Bは400gとなり,大きな差がつきます.ここで乾燥条件のために根が発達しないと,土壌の水を十分に獲得できないとしましょう.簡単のため,茎・根の乾物重の2倍まで光合成できるだけの水を確保できるとしましょう.植物Bは1年目において,茎・根が50gしかないので,2年目も100gしか作れないので,まったく成長できなくなってしまいます.植物Aは,茎・根の吸収できる水で140gまで乾物を作ることができますが,葉の量が制約となり,120gしか生産できません.そうすると葉と茎・根の分配割合は植物A,植物Bの両者の中間が最適だと考えられます.その最適な分配割合を求めましょう.

なお方程式を作らないてもかまいません.1%ずつ分配率を変えていって計算したらよいでしょう.

正解
葉に33〜34%,茎・根に67〜66%分配するのが最適になります.下のように計算できます.方程式というのもいいですが,いくつも計算して,数値間のパターンをみていくことも必要です.

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方程式で解くには
葉への分配率をx%,茎・根への分配率を(100-x)%とし,最初の植物を100gとします.
水の制約から光合成できる量は2(100-x)g,
葉の量の制約から光合成できる量は4xgとなります.
この2つが同じになるxを求めると
x=33.3%が答えになります.