植物発育論 第10回 種子と発芽・休眠,成熟と老化 予習のページ

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1.種子の中には植物が発芽するために必要なものがすべて準備されています.どんなものが準備され,どういう用途に利用されるかを考えましょう.
財団法人仙台市公園緑地協会のホームページに種子で育てるときと挿し木などで育てるときの利点がかいてありました.
2.種子は発芽に適当な条件であっても発芽しない休眠状態にあることも多いです.また,休眠から覚醒しても発芽に適当な条件に置かないと種子は発芽しません.
(1) 種子が休眠する利点は何かを考えましょう.
(2) 休眠から覚醒した種子が発芽できる条件を列記しましょう.
3.人間が利用する植物(作物)には種子繁殖よりも栄養繁殖(球根,塊茎,塊根,地下茎など)するものも多いです.このような栄養繁殖は植物にとってどんな利点があるのかを考えましょう.
 種子は被子植物の始まりとふつうは考えるでしょうが,厳密に考えれば受精したときの受精卵こそ始まりかもしれません.そうすると受精卵から開花して,枯れるまでの植物の一生で作られる器官は種子のときにはもうできているのでしょうか?すなわち,葉,茎,根,あるいは花でさえすでに種子の中にできているのでしょうか?それとも途中のどこかまでなのでしょうか?あるいは葉,根,茎もまだ形すらない状態なのでしょうか?
 次に,種子が発芽するためには栄養が必要です.栄養にはエネルギーとなるものと体を形作るものがあります.人間でも炭水化物と脂肪は主にエネルギー源,タンパク質は体を作るもとです.種子にはそのようなエネルギー源と体を作る材料はあるのでしょうか?あるとしたらどんな形で?私たち人間も,あるいは鳥などの動物も栄養豊かな種子を食べることがよくあります.では種子にはどんな栄養があるのでしょうか?
 さいごに,植物は土壌からさまざまな養分を吸収します.そのような養分を種子にあらかじめ蓄えておくと有利かもしれません.そういうことをしているのでしょうか?
種子と芽生え(福岡教育大学 福原先生のページ)へのリンク

(1)
 冬のような低温の時期,地中海性気候のような乾燥した高温,熱帯の乾季は植物の生存に厳しい状況です.そして,発芽・出芽期は植物がもっとも弱い時期でもあります.そうすると種子を休眠することにはどんなメリットがあるでしょうか?

 

(2)
 種をまくときに何を与えますか?次にいつ種をまきますか?そして,植物が生きていくために必要なものは種子にも必要かもしれません.植物によってはさらにいろいろな条件を発芽に必要とするかもしれません.周りに植物がたくさん生えていたら,発芽するのをやめるということも雑草ではやっているようです.

 人間にとっての栄養繁殖の利点は何でしょうか?人間は本来は栄養繁殖しない植物でも栄養繁殖させることがあります.挿し木,取り木,接ぎ木はその例です.そして,最近では茎頂培養による試験管内での栄養繁殖もよく行われます.挿し木などのメリットは何でしょうか?

 人間にとっての栄養繁殖のメリットは植物が自然の中で生きるときも同じように適用できます.栄養繁殖する植物が多いところの1つに高山,極地のように夏が短いところがあります.そこで栄養繁殖はどんなメリットがあるのでしょうか?

 今回はヒントを少なくしました.植物になったつもりでどうやったら子孫を増やし,生き残れるかをかんがえてみましょう.

予習のプリント(PDF)