食糧生産学講座

作物生産学研究室

● この分野について、わかりやすく説明したページがあります。

   → 受験をお考えのみなさん・作物生産に関心のあるかた、ご覧ください。

[研究概要]


 20世紀後半まで、地域間の偏りはあったものの、私たちの食べ物は安くいつでも手に入るものと考えられていました。しかし、近年、発展途上国の急速な人口増加や経済発展による肉食化、環境問題を起源とするバイオエタノ−ル生産のための作物需要の増加、石油や鉱物資源量の限界、異常気象などによって、世界のイネやコムギなどの穀物価格が著しく上昇し、在庫量が減少し始めています。豊富な食料の時代が終わろうとしているとみなされています。そして、化石燃料の大量使用は大気中の炭酸ガスなどの温暖化ガスの濃度を年々高めており、それにつれて日本でも気温が上昇する傾向にあります。従って、高温をはじめとする気象の変化が、これまでのような生産の継続すら脅かし始める可能性があります。

 イネ、ムギ、トウモロコシ、ダイズなどの作物の子実収量は、太陽光をどれだけ生産に転換できるのか、さらに生産されたものの内どれだけを子実などの収穫部分へ振り向けることができるのかの二つの過程によって決まります。そして、気温や土壌条件、作付けされる品種、植える時期や植え方、施肥や病害虫防除などの栽培要因によって、これらの二つの過程は大きく変動します。そのため、作物生産は、工業製品のように大量の化石エネルギ−を投入して生産を飛躍的に高めることはできません。しかし、それは、同時に作物生産が太陽を利用する限り、これからもずっと継続が可能であるということでもあります。そこで、作物生産学分野では次のようなテーマについて研究を行っています。



1. 気象変動、不良環境下での作物生産反応の解明と影響克服の方法に関する研究
   
   (1)高温および水ストレス条件下でのイネのバイオマスや子実生産と品種比較

   (2)イネ、サツマイモなどの作物の水利用の効率化と最適化の条件解明、緑葉維持能力の有効性。

   (3)窒素条件、炭酸ガス濃度などがイネの形態形成と子実生産へ与える影響

   (4)イネの穂の人工培養法の開発

   (5)作物を利用した屋上緑化



2.地域を活かした作物の安定的高収・高品質生産のための基礎的研究

   (1)食用およびバイオエタノ−ル原料としての超多収米の省力高生産技術の開発

   (2)クワイの特産化や米粉食品の開発


 このような研究課題について、圃場を中心に物質生産、光合成、転流、呼吸、蒸散の測定、無機栄養の分析、安定同位元素の移動・分配などの生態・生理的な解析手法を用いて、他大学、研究機関の研究者と共に活発に研究をおこなっています。






[教官の紹介]

小葉田 亨     小林 和広     足立文彦


[研究テーマの紹介]

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教授:小葉田 亨(農学博士)


生年:1952年
最終学歴:京都大学大学院農学研究科博士課程農学専攻修了
専門分野とその説明:作物生産学

 屋外を中心に、温暖化による高温やかんばつによるイネやコムギの収量への影響を、特に子実成長期を中心に研究しています。また、現在よりもさらにイネの高い収量を実現するための生産機構の解明を行っています。現在水田の約三分の一が水田として使われずまた放棄地となっています。それらの水田を使って低投入で超多収米を生産し、ほとんどを輸入に頼るコムギを原料とするパンなどに代わる新しい食料資源の開発をおこない、自給率の向上を目指しています。

担当授業科目:食糧生産学汎論、稲学など
所属学会:日本作物学会,アメリカ農学会

Homepage of Prof.KOBATA
http://www.ipc.shimane-u.ac.jp/food/kobata/default.html


研究業績

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連絡先:生物資源科学部2号館208号室
Tel. 0852 32-6505
Fax. 0852 32-6537
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准教授:小林和広(博士 (農学))

生年:1966年
最終学歴:京都大学大学院農学研究科農学専攻修士課程修了
専門分野とその説明:作物学

1.高二酸化炭素濃度条件における水稲の穎花生産効率および受精特性の解明(つくばみらいFACE実験)

2.圃場条件下における水稲の開花時刻に及ぼす気象の影響の解析

3.世界のコアコレクションにおける開花期における高温障害耐性の評価

4.ジャスモン酸メチルによる開花時刻の人為的な制御と花粉発育,葯の裂開の関係

担当授業科目 作物学実験,比較作物論,実験計画学

現在担当している授業に関するホームページを開設しています。
http://www.ipc.shimane-u.ac.jp/food/kobayasi/

所属学会 日本作物学会,日本土壌肥料学会,農業生産技術管理学会

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連絡先:生物資源科学部2号館204室
Tel:0852-32-6507
Fax:0852-32-6537
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助教:足立文彦(博士 (農学))

生年:1968年
最終学歴:鳥取大学大学院連合農学研究科生物生産科学専攻修了
専門分野とその説明:作物生産生態学

温暖化ガス濃度の上昇は、気温の上昇だけでなく、降水の頻度と分布を大きく変動させ、作物生産は現在以上に水要因に支配されることが予想されます。作物の水消費と生産との関係を定量的にとらえ、作物生産における水の効率的利用の方策を明らかにしようとしています。特に島根県の温泉源を利用した地球環境変動による植物生産評価とその農業利用について共同研究をしています。また、混作下の異種作物間の根を通した物質や情報のやりとりの解明を試みています。

詳しい研究の内容は次のURLまで
http://park16.wakwak.com/~plant/index.html

担当授業科目:農業生産の基礎,農業生産学専門実験など
所属学会:日本作物学会,日本農業気象学会

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連絡先:生物資源科学部2号館206号室
Tel:0852-32-6345
Fax:0852-32-6537
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[研究テーマの紹介]



<小葉田 亨>

緑葉維持品種の選抜

イネ穂培養法の改良

超多収米の低投入栽培法

土壌乾燥下でのstay green品種の特性

開花期の異なるイネの高温回避性

<小林和広>

高二酸化炭素濃度条件における水稲の穎花生産効率および受精特性の解明(つくばみらいFACE実験)

圃場条件下における水稲の開花時刻に及ぼす気象の影響の解析

世界のコアコレクションにおける開花期における高温障害耐性の評価

ジャスモン酸メチルによる開花時刻の人為的な制御と花粉発育,葯の裂開の関係

<足立文彦>

    植物根を使った水の浄化

    作物生態学的に見た効率的なサツマイモ屋上緑化方法の開発

    ハイドロリックリフトによる畑作物の水利用改善  

(2010.11)

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