ICP-MSとは?

ICP-MSとは,inductively coupled plasma mass spectrometryの頭文字をとったもので,誘導結合プラズマ質量分析法という分析方法です.質量分析法は,分析対象をイオン化して質量(正確には質量電荷比)ごとに分離することで,成分を定性・定量する方法です.では,ICPとはなんでしょう?

○○-MSと呼ばれる方法はたくさんありますが,多くの場合○○の部分はイオン化方法を表しています.(LC-MSやGC-MSの場合は分離方法を表しています)ICPによるイオン化は,ハードなイオン化法に分類されるイオン化方法です.(ちなみに,LC-MSのイオン化方法はESIが,GC-MSではCIが主に用いられています.)

ICPによるイオン化の特徴は,① 高いイオン化率,② イオン化率がマトリックスに影響を受けない,③ 1価のイオンを効率的に生成することができ,希ガス・ハロゲン・水素・窒素・炭素を除いたほぼすべての元素を測定することができます.しかしながら,高次構造を壊してしまうので,分子の情報を得ることは出来ず,元素の情報しか得ることが出来きません.

 

ではICP-MSでは元素の情報しか得られないかというとそうではなくて,導入系を変更することで様々なアプリケーションに応用できます.液体クロマトグラフィー/ガスクロマトグラフィーと接続することで,金属タンパク質/ヘテロ原子含有の生体物質や有機金属/農薬といった化合物を分析できます.レーザーアブレーションと接続することで2次元分布に関する情報を入手することができます.また,ガス交換器を用いるとPM2.5等に含まれている金属濃度の時間変化を詳細に追跡することができます.これら他の分析手法との組合せをハイフネーション技術といいます.